がんばろう日本! 復興への道 〜 顔晴る(がんばる)企業様 〜


高砂長寿味噌本舗は、石巻の地で明治35年に創業をした老舗。
石巻の加工会社の作る「みそ煮」「みそ漬」のほとんどに、
同社の味噌が使われているそうだ。

 

原材料には全て国産の素材を使用し、手間のかかる大豆麹を
使っているのが特徴。
大豆の甘みやコクのある美味しい味噌は、長く多くの人々に
愛用されてきた。

 

渡波の醤油工場は、津波による被害が著しかった。
避難所で4日間過ごした後、一緒に避難していた社員19人は、
津波の引いたこの工場に戻り、
家のなくなった社員は工場の2階で生活をスタートする。

 

電気・ガス・水道が復旧していなかったため、お風呂にも入れない。
車は津波で流され、鉄道も動いていない。
携帯電話も復旧していない。
そんな1ヶ月半を過ごした。
周囲の状況を知ることが出来ずに孤立し、感じた絶望感は、
想像できるほど生易しいものではないだろう。

 

しばらくすると、お取引先、お得意先の方々などから、
支援物資がどんどん届くようになる。
そこには、必ず応援のメッセージが添えられており、
それが再起の勇気と希望へとつながっていく。

 

先の渡波の醤油工場は、操業が不能な状態であったが、
東松島にあった味噌工場は高台にあったため、最小限の被害で済んだ。

 

再起に向けて、工場内の片付け、整備を行い、味噌工場が再操業できたのが、
ゴールデンウィークの頃。
この工場にあった在庫の味噌などで、避難所に炊き出しを行った。
そこで出会った、避難されている方々の笑顔には、
とても心を温められたと言う。
醤油工場も、パイプの入れ替え、各所の整備などで、地震発生から3ヶ月、
6月下旬には、少しずつ醤油の製造を再開するまでにこぎつけた。
復興への大きな一歩を踏み出したことになる。 

 

そして、震災前には毎月実施していた直売イベントを再開。

 

6月25日には、味噌工場敷地内で、同じ石巻の「希望の缶詰」で
復興を目指す、木の屋石巻水産とタッグを組んだ。
仮設住宅の方たちに提供した「味噌やきそば」の麺には、
同じ石巻で復興を目指す「希望の石巻焼きそば」の島金商店の麺を使用。

 

7月9日の2度目の直売イベントでは、仮設住宅の方たちに、
地元の米粉麺を使った「冷やしうどん」を振る舞う。
このつゆには、同じ石巻の丸平かつおぶしの「希望のかつおぶし」と、
6月下旬に、製造を再開させることのできた自社の醤油工場で製造した
「だしつゆ」を使用。

 

自分たちだけでは出来ないことも、手を取り合って、力を合わせて。
出来ることがたくさんあると、話す。
共に歩むことが、絆が、復興をどんどん加速していくに違いないと
思わずにはいられない。