■あなたの住んでいる国は働きやすいですか?
クラーク・フューチャー・コンサルタンツを応援してくださっている方の99%が住 ん でいる国、日本では、長時間労働、職場環境による鬱、過労死等、雇用環境に関するニュースは、暗いものが多い印象を受けます。
最近大きな話題となったものだけでも・・・
□人材派遣大手が、違法である二重派遣を意図的に行っていたため、業務停止に。
□店長を管理職とみなして、残業代を支払っていなかった大手飲食チェーンに、違法の判決がくだされる。
□家電量販店が、協力会社に対し、店頭の手伝いとして従業員派遣を強要。安価なバイト代しか払わず、公正取引委員会から排除命令を受ける。
といったように、労働者を「人」として見ていないのでは?と疑わざるをえない、残念な内容が列挙されます。
では日本は、諸外国と比較すると、働きやすいのでしょうか?
「何となく働きにくい気がする」のは、どこの国も同じで、日本だけではないのが実態なのでしょうか?
OECD(経済協力開発機構)は、「雇用アウトルック2008年版」を発行しました。この冊子を元に、日本の働きやすさについて、考えてみましょう。
■正規雇用につくのが難しいのは・・・
日本の将来を担う若い人財。
ところが、日本で特に正規雇用に就くのが難しいのは、若年層なのです。
現在、若年労働者の約3分の1は、非正規雇用です。特に低学歴の場合、正規雇用への移行は困難になっています。
あなたの会社の若いスタッフを考えてみましょう。全員が正規雇用でしょうか?新卒入社以外はアルバイト・パートスタッフとしての入社、特に肉体労働や事務・庶務関連の仕事を担っているのは、派遣スタッフが大半ではないでしょうか。
各社の非正規雇用の積み重ねが、全体では約3分の1もの不安定雇用を生み出しています。
世界的に見ても、若年者労働市場には課題が山積しています。
まず、若年労働者であるほど、失業とビジネスサイクルの関連性が高いことが挙げられます。つまり、業績が悪化すると、真っ先にリストラの対象となるのが、若年労働者なのです。そういえばバブル崩壊後は、大手企業が何年も、新卒採用を中止していました。これも、ビジネスサイクルとの関連性を示しています。
次に、日本同様、短期ならびにパートタイム労働が増えてきています。労働市場全体で、短期ならびにパートタイムに対する需要が高まっており、その供給源が、若年層になっているというわけです。
さらに、低学歴の労働者、特に中等教育を終了できなかった人は、失業からなかなか抜け出せません。これも世界的な傾向です。
■無駄にされている労働者とは・・・
若年層とならんで、平均以下の就業率となっているのが、女性です。
日本の男性労働者の就業率は93%と、OECD加盟30ヶ国中、第3位です(第1位アイスランド、第2位メキシコ)。
一方で女性の就業率は67.4%と、OECDのトップグループを約15ポイント下回っています。
原因として挙げられているのは、まず「労働市場の二重性」です。これは労働市場が「フルタイム」と「パートタイム」の2つに分かれており、「フルタイム」と比較して賃金が低く設定されている「パートタイム」に、女性が雇用を強いられやすい、という考えです。結婚、出産、育児で退職することになった女性は、「終身雇用」「年功序列」を基本とする企業への「フルタイム」での再就職が難しく、「パートタイム」として働かざるをえない環境を生み出しています。
また、ワーキングファーザー&マザーに対する「育児支援の不足」や、「若年層の母親がフルタイムで働く財政上のインセンティブ不足」も、一因として挙げられています。
あなたの会社に、人件費削減を目的として、アルバイト・パートタイムで働くスタッフがいるとしたら、給与は正社員より低く設定されている場合が大半ではないでしょうか。これがアルバイト・パートタイムスタッフと、その多くを占める女性の低賃金化を招いています。
■残念ながら男女差別はなくなっていない
しかしながら、OECDが日本の女性雇用の障害として大きな影響を与えていると指摘したのは、「労働市場における男女差別」です。
日本は、職場での男女差別禁止法の整備(日本名「男女雇用機会均等法」)が他のOECD諸国より遅れただけでなく、現在施行されている法についても、諸外国と比較して、企業側が有利な内容になっています。
ちなみに女性の学歴についてはOECD中第3位(第1位:フィンランド、第2位カナダ)。若年層に当てはまる「低学歴による正規雇用への移行の難しさ」は、女性全体にはあてはまらないようです。
■まず自分の行動を少しだけ変えてみよう
女性就業率の低さについて、OECDから「貴重な人材を著しく無駄にしている」と指摘されてしまった日本。差別撤廃の方法として、「効果的な政策行動」とともに、「差別しないことの社会的価値を高め、人々の行動を変える(但し時間がかかる)」ことが挙げられています。
でも、「時間がかかる」のは、政策というトップダウンによって、男女差別をなくそうとした場合。ボトムアップで、私たち一人ひとりの行動から変えていくならば、そんなに時間はかからないはずです。
「何となく働きにくい気がする」ことを「やっぱり働きやすいよね!」に変えること。そのために、あなたの会社が制度化できること、そしてあなたが、あなたの隣にいるスタッフに対してできることを考え、実行するところから始めてみませんか?
「雇用アウトルック2008」が掲載されたOECD(経済協力開発機構)東京センターHPはこちら
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