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読書家でも、そうでなくでも気になるのが、「芥川賞」と「直木賞」の受賞作です。
第138回芥川賞・直木賞の選考委員会が1月16日に開かれ、芥川賞は川上未映子氏の「乳(ちち)と卵(らん)」、直木賞は桜庭一樹氏の「私の男」に決まりました。
1996年以来の、女性による芥川賞・直木賞独占となりましたが、両賞とも、長く「女人禁制」の時代が続いていました。
芥川賞と直木賞は、自身も作家である菊池寛が、芥川龍之介と直木三十五を記念して、1935年(昭和10年)に創設しました。以来年2回発表されており、日本の文学賞で最も長い72年の歴史を誇ります。
まず芥川賞を見てみましょう。
「文学の登竜門」とも言われている芥川賞。過去143人の受賞者のうち、女性は34人(23.7%)。初めての女性受賞者は1938年の第8回、中里恒子氏です。それから1980年代までは、女性が芥川賞を受賞すること自体がニュースになっていました。
しかし80年代以降、女性の受賞者が続々と誕生しており、第129回から138回までの10回だけを見ると、11名の受賞者のうち5名が女性です。特に第130回は、金原ひとみ氏が20歳、綿矢りさ氏が19歳での受賞となり、話題となりました。
選考委員については、前回の第137回から、小川洋子氏、川上弘美氏の女性2名が加わり、委員の男女比がようやく5対4とほぼ同数になりました。委員に初めて女性が加わったのは1987年の河野多惠子氏、大庭みな子氏の両氏が最初、今からわずか20年前です。
次に直木賞を見てみましょう。
直木賞は、大衆文学の新人に与えられる賞です。
初めての女性受賞者は1940年、第11回の堤千代氏です。現在までに162名が受賞しており、女性は36名(22.2%)です。直木賞も芥川賞同様、近年女性の受賞者が増えています。第129回から138回までの10回では、全13名中6名と、約半数を占めています。
今回直木賞を受賞した桜庭一樹さんの作品「私の男」は、近親相姦を扱っており、「反道徳的な部分や反社会性が直木賞としてふさわしいかどうか」といった批判もあったそうですが、「これまでにない作品の存在感」が評価されての受賞となりました。
一方で選考委員は、全9名中女性はわずか2名(林真理子氏、平岩弓枝氏)。こちらはなかなか女性の増員が進んでいないようです。
平安時代、紀貫之は、著作「土佐日記」において、当時女性のものとされていた日記を、「をとこもすといふ日記といふ物をゝむなもして心みむとてするなり」と、女性に成り代わって、平仮名で書いたことで知られています。
女性の書く文学が男性から羨ましがられた、1000年以上前の日本人は、文学界にも再び女性の風が吹きつつある現代を、どのように見つめているのでしょうか。
「「芥川賞」ならびに「直木賞」の選考を行う「日本文学振興会」のHPはこちら」
「「芥川賞」ならびに「直木賞」全文を掲載する「文芸春秋」のHPはこちら」
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