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2007年 1月09日 ■カイシャと子育て 〜「早朝残業」を活かし夫婦で子育てを分担する〜

女性活用は企業の重要な経営課題の1つとして、取り組みがはじまっています。
ところが本社や親会社が取り組んでも、その熱意が傘下のグループ会社や地方の拠点まで浸透しているかと言うと、そうではないようです。

あるメーカーの関連会社勤務、一般職のA子さんの例です。(1998年入社)

経理や労務の担当だったA子さんは、伝票の帳簿管理をパソコン管理に業務改善をしたり、経費が予算を超えそうになると上司と相談し費目を削ってやりくりするなど、積極的にお仕事をされてました。
ところが2004年秋、親会社からの出向者が上司になると環境が一変。同じように予算枠を超えそうになって相談に行くと、「女性に指示される覚えはない」と一蹴。さらには度々「なぜ女性が数字管理をしているのか」などと言ってくるようになったそうです。
この上司の方は女性蔑視と言うと言いすぎですが、男女の役割分担の概念が強くお持ちの方だったのです。
A子さんは、深夜残業しても給与に反映されず、総合職への転換制度がない、希望を持てなくなり、さらにはお体を壊されて2005年に退職されました。

さてこの親会社、2000年より性別にとらわれない人材活用を掲げておりました。しかしながら、グループ会社の方は人事担当者によると「まず障害者や高齢者の雇用に力を入れており、女性活用の順位は必ずしも高いとはいえない」と言う状態だったのです。

別の企業ではこんなケースも。

とあるメーカーでは、2004年末、新たに発足した女性活用の推進組織が、男女に関係なく能力を発揮し責任ある仕事をするための小冊子をつくりました。工場、支社など3万人に配り、グループ会社に配布しようとして問題が起きました。数社が冊子を受け取らなかったのです。
その理由は「これまで男女が役割分担して仕事を進めてきた。この意識は急には払拭(ふっしょく)できないからしばらく待ってほしい」とのことでした。

このように本社サイドでは専門部署などを作り、女性登用を前面に抱えていく姿勢がありながら、グループ全体でその意識を共有しているところはまだ少数です。

また厚生労働省の2003年の調査、女性活用の状況を調べたところ、従業員5000人以上の大企業では8割が積極的だったのに対し、従業員が減るにしたがって「取り組む予定がない」という回答比率が高い結果になりました。 1番従業員数が少ない、従業員30〜99人と言うモデルケースでは、6割強が女性活用に消極的でした。
このことは地方ではまだまだ土地固有の慣習から女性が働きにくい土壌が根付いていたり、小規模の会社では担当が掛け持ち業務をすることで、業務量としてなかなか取り組めない1面もあることが浮き彫りになっていると思われます。

 

一方、地方の拠点などが本社や親会社に先駆けて、女性活用にとりくんでる動きもあります。

まずは東京電力神奈川支店。
2006年2月に本社に「ダイバーシティ推進室」が発足しましたが、神奈川支店では1年前に「かながわ女性チャレンジ支援室」が立ち上がっていました。
同支店の人事労務担当が2004年の本社で開かれた女性研修の場で能力開発の環境整備を経営陣に訴えたのがきっかけでした。
支援室は管理職向けに女性育成のガイドブックを作成したり、性別意識の有無や業務上の問題点を調べたりと活動をしました。
今では本社の推進室がこの取り組みを会社全体の施策を考える際の参考にしています。
これは支店がかじ取り役になって、本社を動かしている貴重な例です。
こういった取り組みの例は、みなさんが女性活用を推進するためのいい参考例になりますね。

最後にもうひとつ例を出します

カーオーディオ製造の富士通テンは前社長が2005年GCP推進室という専門組織をつくりました。
同組織は女性の採用拡大や、一般職から総合職への転換を進めるための組織です。
その効果は如実に現れました。
新卒の総合職の女性の比率は、2002年4.8%から2006年22.5%に。
工場勤務を除く女性の勤続年数は、2002年8.1年から2005年9.1年になりました。

この例は子会社も別法人なのだから、そのトップの経営者が女性活躍のための支援をする考えを示し行動を起こせば、組織の大きい親会社より浸透しやすいということを示しています。

明と暗が見え隠れする女性活用の風、経営者を動かすのは誰か、そして現場からできることは何か、この例は非常に参考になる事例ではないでしょうか。

2007年1月11日(木)日経新聞の記事

(28面生活 「生活ワーキングウーマン」)より