第6回
「こどもの発想力」
先日、世田谷でこどもたちと一緒にインプロをしました。
空想のお話の中での洞窟探検です。
そこでは、蛇が持っている「宝の卵」を盗んでしまおう!
というお話になりました。
私は主役を演じた少女が飼っている犬の役をやりながら、
一緒に洞窟探検の物語を創っていきました。
他の子供たちやスタッフは、その少女の母親役を演じたり、
途中に出会うこうもりや猛獣を演じました。
まるで、遊園地のアトラクションかRPGのようにお話は進んでいきました。
そして、あらゆる難関を潜り抜け、ようやく蛇の元にたどり着き、
見事宝を手に入れました。
そして、お話はハッピーエンドに終る、かと思ったその時、
主人公役を演じた女の子は、
「かわいそうだから、卵を返そう。」と、返してしまいました。
私たち大人はとても驚きました。
子供は、空想のお話であることは十分理解しています。
蛇なんか存在しない、時間がたてばすべてが終る、そんなことは分かっています。
でも、その世界の中に入り込み、心も体も素直に反応し行動していたのですね。
子供と一緒に行動して、私は途中で気づきました。
はじめ、私はこの少女にお話の世界を「見せてあげる」ことに
夢中になっていました。
でも、子供にとってそんなことは必要ないのですね。
それよりも一緒にいる大人の私自身が、
その世界を「見る」ことの方がずっと大切でした。
一緒になって、その世界に入り込む大人がいることで、
より子供は安心して同じ世界で遊べるのでしょう。
このお話の後から、私たちスタッフは子供に負けないくらい、
空想の世界を信じ入り込んでいきました。
すると、大人の顔色を伺っていた子供たちもどんどん夢中になって
遊びはじめました。
そして私たちも、先ほどよりずっといろんなアイデアが次々に浮かび、
時間はあっという間に過ぎていきました。
私たち大人が貴重な体験をした1時間半でした。 |