毎日のオペレーション業務にも慣れ、1年過ぎた頃にはバックオフィスより
ディーラーのアシスタントへ異動。当時はとにかくバックオフィスから脱出でき、
違うことができることに素直に喜びました。
異動した部署は瞬発的な売り買いとは異なり、金利を扱うセクションで、
マーケットの特徴、動き方、レートなど、これまでとは全て異なり、
慣れるまでには時間がかかりました。
取引が一斉に始まると、10人以上のディーラーが同時に取引内容を
叫び始めます。
「Sさん、聞き取れないよう、そんな言い方じゃー。ちゃんと日本語言って!」
「Mさん、もごもご言わないで、大きな声で言ってよー・・・」
「Fさん、目で合図されたってわかんないよー、もう」
「Aさん、興奮しすぎぃー。」
と、
心の中で叫びながら、必死で聞き取る毎日。
つい慌ててしまい金額やレートを間違えてしまい、
大声で怒鳴られたり、叱られることも度々でした。
一秒を争う取引なので、私の単純なミスが命取りとなるのです。
取引先や会社にも大きな損害を与えてしまいかねないので、
叱られても仕方ないですね。
はじめは慣れずに大変でしたが、ディーラー・ウォッチング
(一人ひとりの動作で何が起こるのか、ほぼ理解!)をしたり、
まめにコミュニケーションをとったり、ちんぷんかんぷんだった
レートの動きを教えてもらったり、2年もするとチームとは次第に
「あ・うんの呼吸」で仕事ができるまでに。
仕事に慣れ、よいチームメンバーに囲まれていたのですが、
また「このままでいいのかな?」、
「これが私のやりたいことなのかな?」と
思い悩む日々が始まりました。
居心地がよくなると、逆に変な不安にかられるものです。
部署が変わり1年経っても、上司からはディーラー・デビューの
話もなく、その代わりに部下がついた。
優秀な同期Mが一人だけ抜擢され、既に地銀ディーラーとして
デビューしていました。ディーラーアシスタントを経ての
デビューでした。
同期Mのように「早くディーラー・デビューしたい」、
と思う反面、
「本当にディーラーになれるのかな?」
「私に出来るのかな?」
「私は本当に金融業界で仕事がしたいのかな?」
と思ったり。
自分はちゃんと成長できているのだろうか?
もっともっと色んなことがやりたい、
と思いながらも、自信のない自分に悶々としていたのです。
そんなある日、上司である部長のAさんに呼ばれました。
(このAさん、今では社長さん!)
部長のAさんからは、いつになく色々とお褒めの言葉をいただきました。
日頃の仕事のほかに、気配りも上等だし、怪獣のようなメンバーと
上手くやってくれている、と。
あまりこのようなことは口にしない上司でしたので、
正直嬉しかったことを覚えています。
でも、その次に言われたことは、
「ディーラー・デビューの件だが、すまんが、
もうちょっと待って欲しい。」と。
が〜ん!
今のチームのこと、人数、枠のことなど色々話していただきましたが、
待つことに関しての具体的なことは何も聞けませんでした。
上司としても、通常の仕事はしっかりやっているが、
まだディーラーは早い!
ディーラーは無理!
ということを言いたかったのでしょう。
その当時の私は、異動してきてから、もう2年も経ったのに・・・。
その間、新卒の男性はどんどんデビューしているのに・・・。
そんな思いばかりでした。
もともと一般職で入社していますから、そんなに簡単に総合職と
同じようにディーラーになれるわけではありませんでした。
唯一ディーラーにデビューした同期Mも、所属は一般職のままで、
担当クライアントも小さなところばかりで、実績を上げても、
いつまで経っても新卒君と同じ扱いだったのです。
あまり何も考えずに就職活動した結果がこの始末でした。
もともとのスタートが違うのですから、仕方のないことです。
もっと違う仕事がしたい、もっと上のことがしたいと、
自分の能力や力のなさも省みず、悩むばかりでした。
この先どうしよう・・・、今のままずっとずっと続けて、
何ができるようになるのだろう? と悩みながらも、
何もできないでいる自分がいました。
この頃から、次第に環境を変えることを考え始めました。
そして日々色々悩みながら、
「そうだ!留学しよう!」と、
退職を決意。
3年勤めた居心地のいい会社でした。 |