ハッピーライフ・セミナー
2008年 6月22日 ■Vol.10 *いばらの道【2】* バブリーな時代のOL 〜1〜

はじめての就職、そしてお仕事。
わからないこと、はじめて経験することの連続でした。
入社してすぐに、「えっ?」、「何これ?!」と驚いたことがいくつか。

まずは、「ディーラーの机(座席)」、
もう1つは、「男性の服装」でした。

私の所属はバックオフィスでしたので、ごく普通の机が並べてある
一般のオフィス風景。でも、外為ディーラーのオフィスは全く
異なるものでした。

大の大人が、大きなまあるいテーブル(机)を囲み、20人ほどで円陣を
組むように座っているのです。みんな顔をつきあわせて、まるで仲良し
チームのように!

他にも小さなまあるい机を囲んで座っているチーム、四角い机を囲んで
座っているチームと、それぞれ取引によって座る島の様子が違うものの、
基本「皆で輪を描いて座る」体勢です。

$円スポットチーム、DM(ドイツマルク)チーム、スワップ・チーム
(2種類以上の為替の取引)、$デポ(金利)チームなどなど、各国の
小さな小旗を立てた島でした。各島には、外国人が1〜2名いました。

はじめて見た私にとっては、とても滑稽に見えたものです。
大の大人が、そんな風に仲良しチームのごとく座っている様子に慣れず、
いつも見るたびに「ぷっ!」と笑っていたものです。

もう1つ驚いたことは、男性の服装でした。
男性のほとんどの方が、オフィスに着くと、
上着を脱ぎ、
ネクタイを取り、
腕まくりをし、
体勢を整えているのです。
工場の作業着に着替えるわけでもないのに・・・。

えっ、朝入り口でお会いしたときは素敵なスーツ姿だったのに・・・?
フェラガモの新作のネクタイしていたのに、何でとっちゃうの・・・?

円陣を組んで座っている男性で、ネクタイをしている人は、たま〜に
一人いるかいないか。しかも、みんなワイシャツのボタンを1〜2つあけて
いました。一体何の仕事をしている人?と、思うほどでした。

私が想像していた「仕事のできるかっこいい男性!」の姿からは
遠いものでした・・・。(ちょい悪オヤジなんて、ありえない!)
「あーあ、がっくし!」なんて、何も考えていないOL時代は
思っていたものでした。

ところが、マーケットが始まるや否や、
いままでボーっとしていたAさん、
いつもズボンのすそが短いダサいKさん、
口うるさい神経質なSさんはじめ、

みな豹変しました!
真剣なまなざしで、億単位の取引に全神経を集中して仕事を
している様子は、凄まじいものでした。
レートを叫ぶ声、大きなディール(取引)をDone!(ダン=成立!)
したときの歓声。

これが、「大人の仕事をする姿なのか!」と、つい最近まで
学生だった私は、こんなことに感動していたものです。
(甘いな!)

もちろん、「あんな座席」も、「あんな服装」も意味のあるものでした。

円陣を組んで座っているのは、今誰が、どこの銀行と、どのレートで
取引しているのか?など、瞬時に相互にやりとりし、また更なる
取引を繋げていくうえで必要な体制。

あんな服装にも一応理由が・・・、
マーケットがオープンしているときは、ディーラーは席をはずすことが
できず、トイレにも行けない状況です。1つの取引が1本(約1億円以上)
からと、神経を使う仕事。

モニターでレートをチェックしつつ、目の前にある何本もの電話で、
いくつもの銀行先との取引。いい意味でリラックスし、ディールが
できるために、ネクタイもとりラフな服装で仕事をしていたのです。
(忙しくてハードなのはわかるけど、ネクタイははずさなくても
いいんじゃないの・・・!?)

はじめは
「へぇー、そうなんだ。」
「ふぅーん、なるほどねぇ。」
と思うことばかり。

そんな私も1ヶ月の研修を終え、ようやく仕事デビューすることとなります。